AIキャラを使ってると、「なんかキャラ混ざった…?」、「これ別のキャラじゃない?」と、キャラが混ざったように感じることがあると思います。
実はこの“キャラが混ざる”というのが、キャラ作り初心者に多い悩みとなっています。
- 会話が安定しない
- キャラの魅力が薄れる
- 反応が毎回違う
- 作ったキャラが別人みたい
キャラが混ざることで、上記のような問題が出てきてしまいます。
これではキャラ作りが楽しめないですよね。
でも、このキャラが混ざってしまう背景には原因があります。
この原因さえわかれば、誰でも簡単にキャラの混ざり防ぐことができます。
- キャラが混ざってしまう原因
- 設定が弱くなってしまうポイント
- プロンプトの改善方法
- 実際にキャラ混ざりを改善するステップ
この記事は、実際にわたしがキャラを作った際に混ざってしまっていた原因を分析し、改善を行ったをも経験をもとに書いています。
初心者でも理解できるよう、わかりやすく解説していきます。
キャラが混ざって悩んでいる方、もっと安定してキャラとの会話を楽しみたい方の参考になれば嬉しいです。
なぜキャラが混ざるのか?よくある原因
ここでは、キャラが混ざってしまうよくある原因を5つご紹介していきます。
AIは「設定の優先順位」が曖昧だと混ざる
これはAIの仕様上の問題ですが、複数の設定があると、どれを最優先すべきかを推測で判断していきます。
- 過去に使った他キャラの癖
- ユーザーの言葉
- 文脈の流れ
AIがこの“推測”をする際、このような情報が使われています
その過程で情報が混ざってしまい、結果、キャラが混ざるという現象がおきてしまうことがあります。
性格ラベル(優しい・クールなど)だけでは弱い
キャラ作りに慣れないうちは、性格設定が弱いことがあります。
- 優しい
- ツンデレ
- クール
- 明るい
このような曖昧な性格設定だと、AIはどの方向性でキャラを動かせば良いかわからなくなってしまいます。
例えばクールだと、口調が冷たいとか、距離が遠い感じなど、人によって受ける印象が違いますよね。
AIは明確な指示がないと方向性を定めることができません。
曖昧な指示を出していると、AIが前後のやりとりから判断する過程で、キャラが混ざることがあります。
キャラ核が抽象的すぎる
キャラ核が曖昧な場合も、同じ理由でキャラが混ざってしまうことがあります。
曖昧なキャラ核だと、AIがこのキャラをどう方向づけてよいのかがわからなくなってしまうためです。
例: 「穏やかで優しい性格」
このようなキャラ核では、優しいの方向性が決まっていません。
そのため、AIが優しさの方向性が固定できず、キャラが混ざることがあります。
口調のルールが曖昧
キャラが混ざってしまう原因で最も多いのが、口調のルールが曖昧なことです。
口調のルールが定まっていないと、口調と語尾が混ざってしまいます。
- 丁寧語とタメ口が混ざる
- 語尾だけ別キャラ化する
- 温度が急に変わる
口調のルールが曖昧で、キャラの返答が例のようになってしまうと、別人のように感じてしまいます。
口調テンプレはしっかりルールを決めていきましょう。
複数キャラを同じチャットで使うと混ざりやすい
これもやってしまいがちですが、同じチャットでキャラを複数使うことです。
似たようなキャラの場合は特に、キャラが混ざってしまうことがあります。
これは、AIが“どちらのキャラの癖を優先すべきか”と、迷ってしまうことが原因で起こってきます。
キャラ混ざりを避けるには、初心者のうちは特に、キャラごとにチャットを分けましょう。
今後慣れてきて、しっかりキャラ核が構築できるようになれば、同一チャットで複数キャラを使っても混ざりにくくなります。
どこで設定が弱くなる?
ここでは設定が弱くなり、キャラが混ざる原因となってしまいがちなところを、5つのポイントにわけて紹介していきます。
キャラ核が抽象的
AIは抽象的な表現が苦手です。
「優しい」「穏やか」「クール」などの表現だと、抽象度が高いため、AIが方向性を定められなくなり、キャラが安定しなくなります。
キャラ核は“具体的な行動ルール”で設定していくようにしましょう。
禁止表現が決まっていない
AIは会話の流れで強い言葉を使ってしまうことがあります。
そのため、禁止表現(NGライン)をしっかり決めておきましょう。
AI側の判断でキャラが言わないだろう表現を禁止しておくことで、キャラが混ざってしまうことを防ぎます。
口調テンプレが曖昧
口調テンプレがしっかり定まっていないと、キャラが混ざる原因になります。
- 語尾
- 文の長さ
- テンション
- 句読点の量
このような“細かい部分”が決まっていないと、AIが勝手に判断していく過程で、キャラが混ざることがあります。
口調はキャラのニュアンスを決める大切な設定なので、しっかり定義していきましょう。
会話テストが不十分のまま使い始める
作り上げたキャラは、綺麗に設定し定義したつもりでも、方向性がAIと異なることがあります。
方向性が違ったり、設定で足りない部分があると、AIの推測が入るため、キャラが混ざってしまうことがあります。
それを回避するためにも、最初に5〜10ラリー程のテスト会話を行うことをお勧めします。
設定の際に気づかなかった細かな部分の微調整が行えます。
ユーザー側の言葉に引っ張られる問題
実はAIは、“あなたの言葉のニュアンス”を真似してきます。
あなたがタメ口を使う → キャラもタメ口化
あなたが強い言葉を使う → キャラが強くなる
ユーザーの言葉のニュアンスを真似することで、口調が変化しキャラが混ざってしまうことがあります。
わたしも初心者の頃は気づかず、キャラの設定してもわたしの返答に引っ張られ、キャラが混ざることがよくありました。
これもよくある混ざりの原因の一つなので覚えておきましょう。
混ざりを防ぐためのプロンプト改善方法
ここからはどうすればキャラの混ざりを防ぐことができるのか、改善策をお伝えします。
「核・口調・NGライン」を3点セットで書く
まず、作るキャラの核、口調、NGラインをしっかりと定義します。
この3点がしっかり書けると、劇的にキャラが安定します。
- キャラ核(芯)
- 口調テンプレ(話し方の癖)
- NGライン(絶対に外さない線)
この3点はキャラ作りの基本となります。
まずはこの3点をしっかり作り込みましょう。
無駄な設定を削り、“短く強い指示”にする
次に作った設定を、短く強い指示にしていきます。
AIには、簡潔な指示が通りやすいです。
設定が多かったり長くなると、AIが指示を判断する際に迷う過程で、キャラの混ざりが起こってしまいます。
キャラの設定は短い指示で作成し、AIの方向性を定めていきましょう。
キャラ名を固定して起動文に入れる
起動文にはキャラ名を入れ、役割を固定します。
難しく考える必要はありません。
「あなたは〇〇として話してください。」
このように入力するだけです。
この一言があると、AIは人格の切り替えがしやすくなります。
別キャラとの共通部分を避ける
別のキャラとの混ざり防止を避けるには、キャラの共通する性質を避けるようにしましょう。
例えば、
• A:軽くて柔らかい
• B:丁寧でふわっと寄り添う
AとBという性質を持つキャラがそれぞれいたとします。
この2つのキャラには、共通している性質があります。
軽い・丁寧で表現された“優しさ”、柔らかい、ふわっと寄り添うで表現された“柔らかさ”です。
このような似た性質のキャラがあると、AI側で人格を切り替える際に混ざってしまうことがあります。
しっかりキャラ作りが行えるようになると混ざることはなくなりますが、慣れないうちは共通部分を避けてあげると、キャラが混ざるリスクを減らせます。
会話中に混ざったときの軌道修正方法
会話をしている際にキャラが混ざっているのを感じたら、すぐにAIに伝えましょう。
キャラを作り直さないといけないかなと思うかもしれませんが、軌道修正をすることで、設定を強化していくことができます。
軌道修正の方法は簡単です。
こんな感じで、
「その口調は違います。紬の話し方に戻してください。」
「ふわっと丁寧にお願いします。」
と伝えるだけです。
軌道修正をする上で1番大切なのは、すぐに伝えること。
キャラが混ざった状態で会話を続けてしまうと、キャラがその状態で固定されていきます。
固定されてしまったキャラ修正する際は、履歴を遡り、キャラが混ざっていない地点を指定して、戻すことができます。
キャラ混ざりに気づいた際は、すぐに軌道修正していきましょう。
実際の改善ステップ(初心者向け)
続いて、まだキャラ作りに慣れていない方向けにキャラ混ざりを改善する方法をステップごとにご紹介します。
抽象的な表現は避け、キャラの核となる要素を3〜5個にまとめます。
性格を元にしたものより、キャラ行動をベースにしたルールの方が、指示が通りやすいです。
次に話し方のテンプレを決めます。
キャラのニュアンスを決める語尾、文の長さ、テンション、句読点を決めておきます。
ここがしっかり決まっていると、AIが迷わず出力してくれるようになります。
作るキャラがやらないだろうという行動を事前に禁止表現として定義しておきます。
この境界線ができているとキャラが安定します。
ここまでできたら、実践して調節していきます。
短い会話を5〜10往復ほど行います。
• 語尾が安定しているか
• 感情が大きく揺れないか
• 設定に対して自然か
会話テストでは、この3点を確認していきます。
テスト会話や、実際にキャラを使っていて、キャラの混ざりを感じた際は修復を行います。
次のような短い指示で大丈夫です。
• 「紬の話し方に戻して。」
• 「丁寧で柔らかい口調でお願いします。」
この一言で方向性が戻るのでキャラの混ざりを防ぐことができます。
実例:よくある混ざり例(紬の場合)
こちらでは紬を例4つの実例を紹介していきます。
※紬(つむぎ)は、このサイトで配布している“ブレにくい聞き役キャラ”のことです。
実例から原因、問題点、修正点、修正後までをのせていきます。
例1:紬が急にタメ口になる
▼ ブレた紬(実例)
「うん、それで大丈夫だよ。私もそう思ったかな。」
→ タメ口(うん/だよ/かな)が混ざっている。
▼ 問題点
• 語尾の定義が「丁寧語で統一」しかなかった
• “使わない語尾リスト”が未指定だった
• ユーザーの口調がタメ口で、AIが合わせてしまった
▼ 修正ポイント(テンプレに追加した内容)
• 使う語尾:です/ます/〜ですね
• 使わない語尾:だよ/かな/タメ口系全般を禁止
• 「ユーザーの口調に引っ張られないこと」を明記
▼ 修正後の安定した紬
「そうなんですね。その考え方、私もとても素敵だと思いました。」
→ 口調がやわらかい丁寧語で統一されるようになった。
例2:紬が押しの強い発言をする
▼ ブレた紬(実例)
「それは違いますよ。こうしてください。」
→ 指示・否定・強制が入っており、ユーザーの求める紬でなくなっています。
▼ 問題点
• キャラ核は「押さない」しか書かれていなかった
• “押す”とは具体的に何を指すのか曖昧
• AIが「丁寧だけど強め」に解釈した
▼ 修正ポイント(NGラインを明確化)
❌ 強い否定(それは違います)
❌ 指示(こうしてください)
❌ 命令(必ず〜です)
→ これらを使わないと明記
▼ 修正後の安定した紬
「少し違うかもしれませんが、◯◯さんの感じていることも大切だと思いました。」
→ 柔らかくて押さない、“紬らしさ”が表現できた。
例3:別キャラの語尾だけ混ざる
▼ ブレた紬(実例)
(例:紬と似ているキャラを混同している)
「ですよね、◯◯ちゃん。そうだよね?」
→ ユーザーへの呼びかけや、「だよね?」という語尾が他のキャラに引っ張られている。
▼ 問題点
• 紬と他のキャラの語尾のニュアンスが近かった
• 紬に「〜ですよね」を許可していたため混ざってしまった
• ユーザーをどのように呼ぶかの定義が曖昧
▼ 修正ポイント
• 紬は「ユーザーへの呼びかけ控えめ」と設定
• 語尾の範囲を狭める(です/ます/ですね のみ)
• 「〜ですよね」は“相手を追う”ニュアンスになるので削除
▼ 修正後の安定した紬
「そうなんですね。よかったら、もう少し聞かせていただけますか?」
→ 他キャラとの混同がなくなり紬が安定した
例4:キャラ核レベルの崩れ
▼ ブレた紬(実例)
「それは大変すぎますよね!私でも泣いちゃいます!」
→ 感情が大きく揺れており、紬のキャラが崩壊している。
▼ 問題点
• 「感情浅め」という曖昧な指示だとAIが方向性を判断できない
• ユーザーの返答に対し、AI側が励まそうとした結果、感情が強く出てしまった
▼ 修正ポイント(キャラ核を少しだけ具体化)
• 「感情浅め=驚き・喜び・悲しみは控える」
• 「感情表現はワンワードに留める」
• 「相手を煽らない」
▼ 修正後の安定した紬
「それは大変でしたね。きっと、とても頑張られたんだと思います。」
→ 感情は“浅く・静かに”、紬の世界観に戻ることができた。
まとめ:混ざりは“構造”が整えば防げる
キャラが混ざる原因のほとんどは、キャラ核や口調、NGラインの設定が曖昧なことが原因となっています。
曖昧な設定が、ユーザーとAI側で方向性が異なってしまうことで、キャラの混ざりがおきてしまいます。
キャラの混ざりに困っている方は、紹介した改善ステップを参考に、キャラの構造を強化してみてください。
このステップでキャラ核、口調、NGラインの設定を行い、方向性を示してあげると、驚くほどキャラが安定します。
このブログでは、キャラ作りのための基礎や応用の内容を紹介しています。
キャラをもっと安定させたい方は、ぜひそちらもチェックしてみてくださいね。